「北海道統合医療研究会」活動終了のご挨拶
会長 猪股千代子
「北海道統合医療研究会」(以下、当会)会長として、活動閉会のご挨拶を申し上げます。
日本統合医療学会(IMJ)では、統合医療におけるケア実践の質の向上を目指し、現IMJ名誉理事長の仁田新一先生(東北大学名誉教授・医学博士)、理事の川嶋みどり先生(日本赤十字看護大学名誉教授)によって、2010年に看護部会が設立されました。
それを受け、2010年に、北海道では、猪股千代子(当時、札幌医科大学看護学部教授、現在、札幌市立大学名誉教授)らが有志とともに、日本統合医療学会看護部会北海道地区研究会を立ち上げました。
病院、地域、教育の分野など様々な領域で働く看護職らで統合医療におけるケアの学習を行っていましたが、徐々に、研究会の参加者は看護職だけではなく、多職種の方々も交えながら、さらに全人的なケア、統合医療について学習と交流を深めていきました。これまで、歯科衛生士、ヨーガ療法士、アロマセラピスト、治療師、薬剤師など、様々な職種の方が参加されました。
そのため、2016年4月より「北海道統合医療研究会」と名称を改め、会の目的を、「全人医療、健康維持、病気の前段階を未病とするなどの概念に基づく統合医療の視点から、対象者の自然治癒力に働きかける健康科学のあり方に関する基礎的・臨床応用研究の推進及び統合医療実践・統合医療サービスの向上をはかり、広く社会に貢献する」と定めて活動を展開してまいりました。
この結果、2010年7月から、2022年3月までの12年間に、学習会は通算52回余にわたり開催され、また、口頭による発表と論文は、合わせて約20題の研究結果を、関連学会などで公表できたことは、貴重な成果です。学習会の講師の先生方には、日本国内からお出でいただき、専門的知識をご教授いただきました。その都度、真理の探究・真理との出会いという崇高な体験の機会をいただけたことは、身に余る光栄なことでございました。さらに、参加者の方、会員の皆様からも、数えきれないほど貴いお教えと学びをいただきました。
しかし、2020年の冬季からはじまったCOVID-19の世界的感染と、その感染拡大防止対策の下で、いかに、この活動を継続できるか苦悩しましたが、会員のたゆまぬ努力に支えられ、知恵を出し合い、その結果、ZOOMを活用した遠隔学習会で対応することができたのは、真に奇跡的な出来事と言っても過言ではありません。会員一同、手作りで、身を粉にして企画から運営まで継続することができたことは、生涯、忘れることはできません。
会の目的は道半ばですが、この2年の間に、参加者やメンバーとその家族の健康状態や生活状態も変化し、当会の活動を継続することが困難となりました。正式に、2022年3月で活動を終了することを、この場をお借りし、ご報告申し上げます。
われわれが描いていた、統合医療の研究と普及活動は、当会の活動にご参加いただきました皆様と、敬愛する会員のご尽力によって、多様な知識と深淵な技術を学びあうプラットホームの機能を果たしたと確信しております。たくさんの真実とたくさんの盟友と出会い、交流することができました。まさに光輝く場を創造できたことは会員全員の金字塔であり誇りです。
私たちは、この活動で得られた学びを糧に、これからも、ご縁を大切にしながら、今後の人生を、新たな目標をもって進んで参ります。
心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
合掌
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