今年度第2回目の勉強会は、去る2017 年9月10日(日)、患者様やご家族の方にも統合医療を知っていただく機会にしようと北海道難病センターにて、37名の参加者を迎えての開催となりました。
『統合医療をもっと身近に』というテーマのもと、猪股千代子会長の挨拶に続き、響きの杜クリニック院長 西谷雅史先生による「実践としての統合医療」についてのご講演と、日本医療・環境オゾン学会 神力就子氏による「健康増進のためのオゾン療法の活用」についてのご講演の後、ハマナス・音楽&看護療法研究会(HOKT123)のスタッフによる「音楽とアロマとヨーガによる癒しの統合ケアのセッション」を体験していただきました。それから参加者の皆さんで輪になっての意見交換・交流会を持ちました。
交流会の中では、「初めて聞くお話しばかりで、目から鱗でした。」「人生の過程で、病気は一つのサインという捉え方を自分はしている。この会に参加して、魂の喜びを感じている。」「生まれてから死ぬまでの医療というのはすごい。」など患者さんやご家族の思いや、普段治療やセラピーに携わっている立場の参加者からは「統合医療について聞いたことはあったが、よく知らなかったので、西谷先生のお話しで統合医療医療の目指す所などの話を聴いてとてもよかった。オゾンの話もセッションもとてもよかった。」「今日のお話しで、老化は生活習慣病なんだなとわかった。統合医療の大事さを知識として知っていても、ちょっとしたサポートがないと生活に入れていくのは難しい。今日のような機会はとても貴重。」といった声が聞かれました。
また会終了後に、日本長生医学会のお二人の先生に感想文を依頼しましたら、実にあたたかいメッセージをお寄せくださいました。
大村和彦先生からは
『勉強会では、お世話になりました。最後のプログラム「意見交流会」で発言された患者さんの言葉が、この会のレベルの高さを物語っていると思いました。「素晴らしい会に参加出来、癌になって良かったと思います」「この会のお陰で、難病でも前向きに過ごせています」と。
私が治療師として目指しているのは、身体と心と魂の調和ですが、”魂の救済”は大きな課題です。HOKT123研究会の体験セッションで、会場に優しく流れる癒しのエネルギーは、難病を抱える患者さんへのスピリチュアルケアそのものだと思いました。アロマ、先端医学、音楽、ヨーガの融合だけでなく、受付ではとびきりの笑顔とディスプレイされた紅葉が出迎えてくれました。医療だけでなく、こうした細やかな心遣いを含めた全てのアプローチが、霊性を視野に入れた統合医療の体現と感じました。良い勉強をさせていただきました。この研究会のためご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。』
平下敦彦先生からは
『「ひょっとして癒されたのかな。」大通公園の芝生にすわって会を振り返ったときに想いました。
プログラムの体験セッション「音楽・アロマ・ヨーガによる癒しの統合ケア」がお目当て、心身の緊張がほぐれる! 自然治癒力が高まる! に誘われて。久しぶりの研究会参加です。
響きの杜クリニック西谷雅史先生の講演中、『僕の席は真ん中の一番前だけど、後ろの人はスクリーンの画像見えるかしら』と思う。後ろに座る方たちを感じる。先生は穏やかな声で説明してくださる、クリニックでの統合医療実践の様子や医療に想う先生の哲学など。名のごとく「響き」や「調和」が大切と説かれる。杜には調和もあるんだね、きっと。
先生とスクリーンをぼんやり見つめて音を聴く。以前はペンで書く手を休めずに演者の言葉を写していたけど、今はときどきメモするだけ。浮かんだ自分の想いとか、あとで訊いてみたい事とか。西谷先生講演中は≪統合医療を目指すパーソンが理想とする医療!≫≪エコー≫≪すばらしさに気付いていないDr.達には?≫などと。
僕自身は、名のみ聞いていたオゾン療法、神力就子先生が教えてくれました。オゾン発見からの世界におけるオゾン利用の歴史、戦場における療法、キューバ医療においてのオゾン療法、日本でのオゾン利用とオゾン療法の歴史。先生ご自身の関わり。初めて聴く話の内容と神力先生のエネルギーに、口あんぐり体は前のめりになる。「良いものは先行する、化学は後追いである。」は、先生の言葉か先達の言葉であったかは失念したが、≪効果があり安価なら最高≫です。
癒しの統合ケア体験セッション中は、とてもSMILEでした。自分の顔は見えないけど…おそらく。スタッフの導きにゆだねて呼吸する動く歌う。温かい氷の隧道を、お湯につかりながらゆっくりと下ったような…笑いながら。いい機会いい経験でした。ごきげんよう、ありがとうございました。』と。
平下先生にとって、これまで『癒し』は、自発的に使う言葉ではなく、体験的に『癒されたと思う』ことはあったけど、文中にあるようにふらふらと癒されるべく ≪誘われて≫ ≪ひょっとして癒されたのかな≫ 意識下では、『望んで、そして、癒された』というのは初めての体験だったそうです。また、セミナーや研究会に参加した後、振り返ることはほとんどなかったそうで、今回思い返して文章にするのも経験だと感じられたそうです。
今回は患者さんを交えての初めての勉強会であり、普段患者さんを支えているご家族や人を癒している専門職に他のセラピーを体験することで統合医療の一端を味わっていただく機会でもありました。知識を深め、それぞれの立場の思いがこもった声を聴きあうことで、ここでの経験の共有や理解が深まるだけではなく、これからの統合医療の環境が形作られていく土台になると思われました。
今年度の北海道統合医療研究会の勉強会は、11月19日(日)札幌市立大学にてDAL(ディープアクティブラーニング)による学習会と3月4日(日)総会と講演の予定です。
また、10月22日(日)には、第19回日本統合医療学会北海道支部総会が開催され、各分野の医療従事者やセラピストが集い、学びや意見交換の場がもたれます。
統合医療に関心ある皆様、どうぞお誘い合わせてご参加ください。
文責:北海道統合医療研究会副会長 吉武ゆり